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全盲になった仁くん

今日は本当は天気も良かったので、フリーマーケットの参加を予定していたのですが、急遽予定を変更して、病院へ”仁くん”のお見舞いに行きました。

20日前―。仁くん(グレちゃん)は車に轢かれてしまいました。毎日ごはんをくれるエサやりさん家の目の前で。おばさんの家の前はエサ場になっているから、仁くんはいつもそこにいました。
仁くんと出会ったのは、ちょうど半年前。自分達の管理している公園の猫達の避妊手術がほぼ一段落し、自宅近所のボランティア仲間が住む町内会の野良猫の避妊手術の活動のお手伝いを始めた時でした。紹介してもらったそのエサやりのおばさんの所には、毎日5~6匹の猫たちがごはんを食べに来ていました。そのほとんどの猫たちは避妊・去勢をしていませんでした。そして、最初に捕獲を始めたのがこの現場になりました。ほとんどの猫が知らない私たちを見ると身をかがめたり、姿を隠したり逃げようとするなか、仁くんは何の疑いもなく、スリスリゴロゴロ近寄ってきて、捕獲器を使うことなく用意したケージの中へ抱っこして入れることができました。ケージの中にいても大人しく、暴れることも鳴くこともなくゴロゴロゴロゴロ、ケージ越しにこちらを見つめる瞳に、なんていい子なんだろうと―。
エサやりのおばさんは、「この子は本当にいい子だよー。一番懐いているからね。」と自慢気にいい、ケージに入った仁くんに「早く手術してもらって、帰ってくるんだよ。待ってるからね。」と。

つい先月も、回覧を回すおばさんの後をくっついて歩く仁くんを目にしていました。仁くんはおばさんが大好きなようでした。仁くんはいつもおばさんのそばにいます。立ち話をしているおばさんのそばにも、近所を回るおばさんの後にも、いつも仁くんがいました。
おばさんの家は結構交通量の多い道路に面しています。大きい道路の抜け道になっていて、裏道の割りに道幅が広いので、通る車は結構スピードも出していきます。ボランティア仲間が過去に何度かその道路で猫が轢かれているのを見ていたし、おばさん自身も何度も猫が轢かれる事故を見てると言うので、せめて仁くんだけでも飼ってあげてくれないかと何度かお願いしましたが、家の事情で飼えないと。
「うち、もう1匹いるしさ、この子だったらいい子だから、すぐ貰い手みつかるよ。」
おばさんの周りの住人も、人にも車にも警戒心を持たない仁くんがいつか轢かれるのではと危惧していました。

11/11の朝。ボランティア仲間からのSOSが入りました。仁くんが轢かれたと。
公園でエサをあげていた私達は、急いでかけつけると、片目が飛び出して呼吸の浅くなった仁くんがいました。ボランティア仲間が自転車で近くの病院へ連れていったのですが、なんだかんだ理由をつけ、遠まわしに診察を断られてしまったそう。野良猫だから…。
事故にあったのは前の夜の10時頃のようでした。エサやりのおばさんの隣人がおばさんの家の前で轢かれている仁くんを見つけ、すぐにおばさんに連絡したそうですが、おばさんはとりあえず仁くんをダンボールに入れて、車庫のすみに置いておいたようでした。翌朝、話を聞いたエサやりのおばさんの近所に住む猫好きなおばあちゃんが、仁くんを心配して、ボランティア仲間に連絡をしてきたそうです。
「なんで、すぐに病院に連れていってあげないの?」
「だって、お金がかかるだろ。」

とにかく急いで車に乗せ、山口先生の所に行った。病院に着いて、仁くんを見て先生は、「ひどいな~。これはどっちにしても時間がかかるな。」と。どのみち入院になるとのことだったので、仁くんを預けて一旦ひきあげ、連絡をもらうことになりました。
夕方、気になって電話をいれると、これから手術をするとの回答。その後、夜遅くなってから、連絡をもらいました。検査の結果、左目は眼球が破裂していましたが、他にはどこも骨折等はないとのことでした。左目の摘出手術をし、点滴等の処置をしてもらい、あとは本人の回復力次第ということになりました。

翌日、ボランティア仲間からおばさんにその旨を伝えてもらうと
「そんな痛い思いして可愛そうにねぇ。いっそ死んじゃった方が良かったのに」
「戻ってきても、うちじゃ面倒見れないよ。エサなんかあげない方がよかったねぇ」
「私がエサなんかあげたから、事故にあっちゃたんだ。」
仁くんの厳しい状態を思っていったことだけど…。でも、今現に生きてるんだから。

翌日、面会に行くとケージのなかでボーっとしている仁くんがいました。何がなんだか本人は分かっていないような感じでした。ただじっとうずくまっていました。

1週間後、仁くんは元気になってきていました。自分でごはんも食べるようになり、声をかけると振向き反応するようにまでなりました。まだ完全に安心できる状態ではないですが、峠は越えたような気がしました。(あぁ、良かった。)
でも、悲しいことに仁くんの残った右目も、そのときすでにもう光を失っていました。声をかけると、一生懸命声のする方をキョロキョロ探す仁くん。たまらず、そっと撫でてやると、またいつものようにゴロゴロゴロゴロゴロ・……。

そして今日、久しぶり(1週間ぶり?)に会った仁くんは、とても元気そうでした。見えないながらも、音や匂いそしてひげで方向や距離を測り、ケージを開けてやると、上手に台を使って自分から降りてきました。
Jin1
「おいで」
人の手が触れると気持ちよさそうに目を細め、頭をぐりぐり押し付けて、ゴロゴロゴロゴロ。狭い病室の中でも人のそばにこようとして、人の気配を探す仁くん。やっぱり、この子は人間が大好きなんだなぁってつくづく思う。君をこんな目に合わせたのも人間なのに…。

全盲になった仁くんのこと、何度もおばさんに家に置いてあげてくれないかと頼んでみるが、いつもいい返事はもらえなかった。「うちは無理だよ。」
もう無理だと分かってはたけど、仁くんが大好きなおばさんだから最後に聞いたの。
「せめて片目が見えてればねぇ、置いてやろうかとも思ってたのに」

相方と目が合う。黙ってうなずく。仁くん、君にもきっといい家族が現れるよ。私たちがきっと探してあげるから。帰り際、担当の先生に仁くんの検査等を頼んで帰ってきました。

仁くんにはもう帰るところがない。でも、もういいよ。あそこにはもう帰らなくてもいいよ。

Jin
仁くんの目は、光を失ってしまったけど、
でも、今までと変わらず輝いています。

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